会社代表者が任意整理を試みたが、最終的には自己破産で解決した事例

概要

貴金属の仕入れ・販売業の会社が資金繰りのために2億円以上の負債をかかえ、代表者個人も3000万円以上の借金があり、当初は任意整理を試みたが途中で挫折し、最終的には自己破産で解決した事例。

相談者

Yさん、50代男性、会社代表者。

相談前

Yさんは、個人で貴金属の仕入れ・販売業をはじめ、売り上げが次第に伸びたため会社を設立し、家族が取締役になった典型的な小規模同族会社の代表者でした。会社設立後も事業は順調に推移し、売り上げが最も多かった年には3億円以上になり、そのとき売り上げから仕入れを差し引いた荒利が2500万円以上ありました。

しかし、その後、世の中の不景気が続き、売り上げは右肩下がりとなり、仕入れ代金の支払いのために金融機関から借入を始め、Yさん個人でもクレジットカードや銀行のローンカードを使って資金繰りのための借金が増えていきました。Yさんは金融機関からの借入ができなくなると高金利での借り入れにも手を出すようになりました。

ご相談に当事務所を訪れたときには、会社の負債は2億円以上にふくれ上がり、Yさん個人も3000万円以上の借金を抱えて、ご自分では支払を続けることができない状態でした。

相談後

弁護士が受任通知を出して債権者からの取り立てがやむと、Yさんは少し精神的な余裕が持てるようになったようでした。利息制限法上の制限利息を超える高利の借金も多く、債権調査の結果、かなりの過払い金が発生していることがわかりました。

そこで当事務所が過払い金の回収をはかる間、Yさんは事業の立て直しをすることになり、Yさんは金融機関と交渉して、弁済期間を延ばしてもらうことに一旦は成功しました。

しかし、会社の売り上げはその後も減少の一途をたどり、仕切り直し後の金融機関への支払も途中でできなくなりました。

Yさんは自分がやるべきことは全部やったと考えることができるようになり、最終的には気持ちの整理もついて会社も個人も破産申立をして、すべての債務を整理することができました。もちろん、Yさん個人の3000万円以上の負債については免責決定を得ることができました。

弁護士からのコメント

個人経営者は会社の資金繰りが苦しくなって金融機関からの借入が増えると、家族や親戚・友人などの身近な人を保証人にして借金し、何とか急場をしのごうとしがちです。

しかし、保証人を頼むときには迷惑をかけないことを条件にすることが普通ですから、いざ破産などの法的処理をしようと思っても保証人に迷惑が及ぶことを避けるためになかなか破産等に踏み切れないということがあります

Yさんの場合には、家族に取締役になってもらいましたが、金融機関等からの借り入れに際しては保証人にはしなかったので、その点では破産申立の妨げにはなりませんでした。

ただ、自分で設立した会社なので、ご相談後もはじめは自分が納得できるまで破産しないで任意整理による借金の解決を試みましたが、結局うまく行かなかったので、最終的には破産することになりました。しかし、Yさんにはやるべきことはやったという納得感があり、最終的な破産処理にはスッキリした気持ちで対応することができたようでした。