
過去に自己破産をしたのに、その後も借金を抱えてしまい「もう一度、自己破産できないだろうか」と悩んでいる方は、実は少なくありません。
※法律上は、破産することと免責を受けることとは区別されますが、破産の目的は、免責を受ける(借金の免除)ことで、世間的には破産と免責を区別していませんので、話を簡単にするために両者を区別しないで解説します。
結論から言えば、2回目の自己破産は法律上可能です。問題は、
条件が厳しくなる
ということです。
ただその厳しさの度合いは、破産に至った事情(前回の破産、今回の破産)により異なります。この破産に至った事情という概念は大変重要ですから、良く頭に入れておいてください。
↓
審査の厳しさは、今回と前回の破産に至った事情により異なる!
まず、2回目の破産といっても、例えば3年前に破産した人と、20年前に破産した人とでは、厳しくなる度合いが違います。
この点破産法は、過去7年以内に破産をしたか、それ以上前にしたかどうかで、2回目の破産に対する条件の厳しさを変えています。
つまり、破産法第252条第1項10号で、前回の免責許可決定から7年以内の破産は、『免責不許可事由』の1つに挙げているのです。
以下、過去の破産歴(同項10号)に該当するかしないかで2回目の破産に対する審査の厳しさについて見ていきます。
1.2回目の破産に対する審査の厳しさ
①破産歴(同項10号)がある場合
例えば、3年前に破産した人の場合は、2回目の破産であること自体が『免責不許可事由』に該当してしまいますので、このままでは、免責を受けられません。
ただ同法2項で『裁量免責』の制度を設けて、仮に免責不許可事由があったとしても、
『破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。』
としています。
そこで問題は、冒頭で申しあげたとおり、2回目の破産ではこの裁量免責を受けられる条件が厳しいということです。詳しく見ていきましょう。
今回の破産で2度目の破産(同項10号)以外にも『免責不許可事由』があるかないかで場合分けしてみます。
『免責不許可事由』がある場合
例えば今回、「浪費」(同項4号)が破産原因の場合は、「過去の破産歴」(同項10号)と「浪費」(同項4号)の二つの『免責不許可事由』があるため、『裁量免責』の条件は厳しくなります。ましてや前回も浪費で破産したとなると、
今回も浪費!
しかも前回から3年しか経っていない!
なのに性懲りもなく、またやったのか!
という感じになり、条件はかなり厳しいと覚悟すべきです。
『免責不許可事由』がない場合
『免責不許可事由』は「過去の破産歴」(同項10号)だけになりますので、『裁量免責』の条件は厳しいなりにも、緩和されるでしょう。ただ、前回「浪費」(破産法252条第1項4号)原因で『裁量免責』を受けていたとなると、それなりの厳しさはあるでしょう。
②破産歴(同項10号)がない場合
例えば、20年前に破産した人の場合は、2回目の破産であっても、「過去の破産歴」(同項10号)に該当しませんので、それ以外の『免責不許可事由』があるかどうかが問題になります。
『免責不許可事由』がある場合
例えば今回「浪費」(同項4号)が原因の場合、『免責不許可事由』があるため、このままでは免責は受けられませんが、『裁量免責』により、免責を受ける可能性は残されています。ただ、7年以内の破産ではないものの、過去に破産したことはあるため、「過去の経験が生かされなかったのか!」と厳しく問われるでしょう。
後述する「4.解決事例」で、事例を取り上げていますので、ご参考ください。
『免責不許可事由』がない場合
今回の破産では『免責不許可事由』は全くありませんので、事実上の破産歴があったとしても免責を得ることはできます。『免責』(免責不許可事由がないから免責する)です。
※破産法252条第1項本文「裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。」
以上見てきたように、2回目の自己破産では、免責が認められるための条件がより厳しくなるケースも多く、前回と今回の破産に至った事情を詳細に検討して望む必要があります。確実に免責を得るためには、手続きを進める前に弁護士などの専門家に相談することが不可欠です。
2.2回目の自己破産の手続きの流れ
自己破産の大まかな流れは1回目と変わりません。
ただし、各ステップでより詳細な説明や誠実な対応が求められる点に注意が必要です。
1 弁護士に依頼
まず弁護士に相談・依頼します。
2回目の破産は条件が厳しいため、専門家のサポートは不可欠です。
2 書類の準備・提出
財産や借金の状況をまとめた書類を準備します。1回目より詳細な説明が求められるケースが多く、反省文の提出が必要になる場合もあります。
3 即日面接(東京地裁の場合)
弁護士が申立代理人のときには、申立て当日~3日以内に代理人のみによる裁判官面接が実施され、管財事件にするか同時廃止事件にするかが決定されます。これが「即日面接」です。
しかし、2回目の自己破産は、手続きが簡略化される「同時廃止」となることは難しく、破産管財人が選任される管財事件になる可能性が高いでしょう。
そのため、1回目より費用が高くなる点にも注意が必要です。
4 破産管財人との面接
管財事件となると、東京地裁の場合には、手続開始決定までの間に破産管財人候補者との打ち合わせを行うことになっています。ここで、財産状況や破産に至った経緯などを確認されます。
5 破産開始決定
裁判所が破産手続きの開始を決定します。
6 債権者集会・免責審尋期日
債権者集会は開始から3ヶ月後くらいに第1回期日が開かれ、多くの場合には、免責審尋期日も行われます。
7 免責許可決定
問題がなければ、裁判所から免責許可の決定が下されます。
万が一免責が認められなかった場合でも、官報公告日から2週間以内であれば即時抗告(不服申し立て)を行うことができます。
免責を許可する決定が出されてから、これが確定するまでには通常1ヶ月程度かかります。
手続き自体は1回目と大きく変わりませんが、「なぜ再び破産に至ったのか」「前回の免責後に生活はどう改善されたか」を誠実にアピールできるかどうかが、免責の可否を左右する重要なポイントです。
また、管財事件が原則となる分、費用面の準備も早めに進めておきましょう。
3.2回目の自己破産以外の選択肢も検討
2回目の自己破産を考える前に、別の債務整理方法も視野に入れてみましょう。
自己破産の免責が認められない可能性が高い場合でも、状況によっては以下の方法で借金問題を解決できるケースがあります。
3−1.個人再生
裁判所を通じて借金の総額を大幅に減額し、残った金額を原則3年(特例5年)かけて返済していく手続きです。
ある程度の返済力は必要となりますが、自己破産のような免責不許可事由の制限がなく、ギャンブルや浪費が原因であっても利用できます。
マイホームを手放さずに済む場合もあるため、資産を守りながら生活を立て直したい方に向いています。
→個人再生
3−2.任意整理
裁判所を介さず、貸金業者と直接交渉して将来の利息をカットしたり、返済計画を見直したりする手続きです。手続きが比較的シンプルで、整理する債権者を選べる柔軟性もあります。
借金の元本自体はそのまま残るため、ある程度の返済能力がある方に適した方法です。
→任意整理
どの方法が最善なのかは、借金の総額・原因・収入状況などによって異なります。
「自己破産しかない」と思い込まず、まずは専門家に相談して選択肢を整理することをおすすめします。
4.解決事例
当事務所では、2回目の自己破産が認められた事例や、他の債務整理を行ったあとに自己破産を行った事例が実際にあります。その一例を紹介します。
「10年以上前に自己破産をして再度自己破産をした事例」
ギャンブルで10年以上前に一度破産したサラリーマン(年収400万円ほど)の方からのご依頼です。
その後、再びギャンブルに手を出してしまい、借金が400万円以上に膨らみました。ギャンブルで取り返すことは不可能であると観念して、2回目の破産を申し立て、何とか債務全額の免責を得ることができた事例です。
→解決事例:2回目の自己破産(ギャンブルが原因)でも解決した事例
このように、当事務所では、2回目の自己破産での解決を見た事例がございます。
5.まとめ
過去に自己破産を経験した方の中には、「また迷惑をかけてしまう」「どうせ認められない」と自分を責めてしまい、誰にも相談できずにいるケースが少なくありません。
しかし、弁護士のサポートで、2回目の自己破産が認められる可能性は十分あります。
カヤヌマ国際法律事務所は、これまで自己破産など多くの債務整理案件を受任し、解決してまいりました。
最寄り駅の「四谷三丁目駅」は、新宿駅からも東京メトロ丸の内線で約5分です。事務所は駅から徒歩約1分とアクセス良好であり、新宿区とその近隣エリア(港区、千代田区、中央区、豊島区、中野区、杉並区、世田谷区、渋谷区、練馬区、台東区、大田区など)だけでなく、東京都全域、神奈川県、千葉県、埼玉県などからもご相談を受け付けております。
当事務所では、借金問題についてのご相談は何度でも無料とさせていただいております(1回につき2時間以内)。
お電話またはメールフォームからご相談を受け付けております。