過払い金返還請求=ブラックリスト?

ブラックリスト

過払い金返還請求とブラックリスト登録の関係

長期間にわたって借入れと返済を繰り返している場合には、利率によっては過払い金が発生している可能性があります。

また、すでに返済し終わった借金の返済時における約定利率が利息制限法に定める制限利率を超えていた場合には、過払い金が、その額の多少の違いはあっても、ほぼ間違いなく発生しているでしょう。

このような場合には、貸金業者に対して過払い金返還請求を行うと、払い過ぎた利息の返還を受けることができます。

この過払い金返還請求をした場合、いわゆるブラックリストにその情報が登録されるのでしょうか?

もしこれが登録されるとすれば、安易に過払い金返還請求はできないことになるでしょう。大変気になるところですので、以下にこれについてまとめてみましょう。

1.ブラックリストに載るのはどのような場合?

ブラックリストとは、民間の信用情報機関が収集する個人への貸付に関する信用情報のうち、債務整理・破産・個人再生などの法的整理手続や延滞などのいわゆる事故情報のことを言うのが一般です。

信用情報機関に登録されている個人の信用情報は、以下のようなものがあります。

  • 氏名、住所、電話番号、勤務先
  • 契約締結日
  • 契約内容
  • 借入残高
  • 申込履歴
  • 事故情報

などです。これらの信用情報のうち、事故情報すなわち個人の信用に関するネガティブな情報が登録されることを、「ブラックリストに載った。」などと表現しているわけです。

いわゆる任意整理をしたり、自己破産・個人再生の申立てを行ったりした場合はもちろん、返済を延滞した場合にもその旨が信用情報に登録されます(一般的には3か月以上の延滞があると登録されるようです)。

参考記事:→ブラックリストとは?個人信用情報機関と債務整理のメリット

2.過払い金返還請求をするとブラックリストに載るのか?

では、過払い金返還請求をするとそのことが信用情報に登録されることになるのでしょうか?

かつては、過払い金返還請求をすると、そのことだけで「債務整理」や「契約見直し(契約変更)」という情報が信用情報に登録されていました。

しかし、過払い金の返還請求は顧客の正当な権利の行使であることから、現在では過払い金返還請求をしてもこのような情報の登録は行われないのが原則です。

ただし、場合によっては、過払い金返還請求を行ったことによって信用情報に影響が出る場合がありますので、次に場合を分けて説明します。

(1) 完済後に過払い金返還請求をする場合

この場合には、先に説明した原則どおり、信用情報には何も影響しません。ブラックリストの心配をせずに返還請求ができます。

(2) 完済前に過払い金返還請求をする場合

この場合には、過払い金返還請求の手続を始めた段階では、多くの場合、「債務整理」という情報が登録されます。

その後この情報の扱いがどうなるかは、いわゆる引き直し計算(再計算)をした後に債務が残るか否かで変わってきます。

①引き直し計算後債務が残らない場合

引き直し計算をしてみたところ、過払い金が発生し、結果として債務が残らないこととなった場合には、「債務整理」の情報は過払い金の返還後に削除される扱いがなされています。

したがって、過払い金の返還を受けた後は信用情報はクリアになりますので、さほど心配せずに過払い金返還請求をすることができます。

②引き直し計算後に債務が残る場合

引き直し計算をしてみたところ、過払い金は発生せず、債務が残る結果となった場合には、債権者と協議の上、その返済をする必要があります。

この場合には、結局任意整理をするのと同じことになりますから、「債務整理」の情報はそのまま5年間残ることになります。

(3) 注意すべき点

このように、完済後に過払い金返還請求をする場合と異なり、完済前に過払い金返還請求をする場合には信用情報に悪影響が出る(ブラックリストに載る)ことがあります。

弁護士に債務整理や過払い金返還請求の依頼をする場合、貸金業者から取引履歴を取り寄せて引き直し計算をしてみて、過払い金が発生していれば過払い金返還請求をし、過払いになっていなければそのまま分割払いで任意整理をするという方針を立てることがよく行われます。その場合には、過払い金が発生するかどうかでブラックリストに載ることもあり得ることを理解しておく必要があります。

借入れ当初からの取引履歴が手元にあれば、過払い金が発生するかどうか、発生する場合はその金額について、事前に正確に計算することができます。

取引履歴がなくても、債務整理事件を扱い慣れた弁護士であれば、借入れの開始時期、約定利率、月々の返済額、完済による空白期間の有無、ある場合はその期間の長さ、現在の残額などの借入れに関する基本的な情報が分かれば、過払い金が発生するかどうか、発生する場合はその金額について、ある程度予測を立てることができます。

なお、仮に過払い金が発生せず、「ブラックリストに載る」ことになってしまうとしても、それを気にして状況をより悪化させるよりも債務を整理することの方が重要です。

「ブラックリストに載る」というのは、それ以上借金を重ねないようにするブレーキという意味ではメリットとも言えるのです。まずは弁護士に相談してみましょう。

まとめ

以上のとおり、引き直し計算後に債務が残ってしまう場合を除いて、過払い金返還請求をしてもブラックリストに載ることはありません。安心して過払金返還請求をしましょう。

また、債務が残ってしまう場合でも、ブラックリストに載る不利益よりも債務を整理することによって得られる利益の方が大きいものです。

いずれの場合も、弁護士に相談してみるべきです。最善の方策が必ず見つかることでしょう。

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ブラックリストの件も含めて、あなたのケースについて事情を伺ったうえで債務整理・過払い金返還請求を行いますので安心です。

債務整理は借金が返せなくなったら早めに検討する必要があります。借金額が大きくなってからでは、ブラックリストの問題もそうですが、自己破産を選択せざるを得なくなるケースもあります。

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