住宅ローンの債務を病気のため支払えなくなり、破産で解決した事例

概要

サラリーマンの方が借金は住宅ローンだけであり、まじめに支払続けていたのですが、突然体調を崩して仕事を続けることができず、住宅ローンを支払うこともできなくなりました。

債務は住宅ローンだけでしたが、体調が回復する見込みがなかったため、破産により住宅ローンを免責してもらいました。

相談者

Aさん、40代男性、年金生活者。

相談前

Aさんは、一般企業に勤めていたサラリーマンでした。30代で2500万円ほどのマンションを住宅ローンを組んで購入しました。

Aさんは、住宅ローンを順調に支払っていました。ボーナス払いの約定はありませんでしたが、会社の業績がよくてボーナスが100万円以上出たときには、まとめて100万円を支払ったときもありました。

ところが、Aさんは、突然体調を崩して、仕事を続けることができなくなりました。借金は住宅ローンだけでしたが、支払ができなくなり、債務整理のために当事務所を訪れました。

相談後

Aさんはある難病にかかってしまい、回復できない見込みでしたので、住宅ローンを返済できる見通しが持てませんでした。

そこで破産で住宅ローンを整理することにしました。

マンションの資産価値より住宅ローンの残債の方が1.5倍以上ありましたので、いわゆるオーバーローンの状態でした。破産申立自体は同時廃止で問題なく受け付けてもらうことができ、免責決定も得て住宅ローンはなくなりました。

弁護士からのコメント

住宅ローンを支払える見込みが立たない場合には、借金を整理する方法は通常破産しかありません。

その場合でも、例えば、住宅ローンが2000万円残っているのに、建物の処分価値が1200万円しかないことが不動産業者の査定書などにより問題なく説明できれば、住宅ローンの方が建物の処分価値より1.5倍以上となるので(オーバーローン)、住宅の資産価値はないものと裁判所が認めてくれます。

そこで、住宅の他に見るべき資産がないときには同時廃止の申立が可能になります。同時廃止の場合には、破産管財人への引継ぎ予納金20万円を準備する必要がないので、申立費用(約3万円)と弁護士費用だけ準備すれば、破産申立が可能となります。

ただし、支払不能になってから、友人だけに借金を支払ったりした「偏頗弁済」があると、これは免責不許可事由に該当するので、免責調査のために破産管財人が選任され、20万円の予納金が必要になります。その他にもギャンブルで借金するなどの免責不許可事由がある場合には、破産管財人が選任される管財事件となります。

住宅ローンが絡む債務整理は非常に複雑なものになりますので、専門家のサポートが必要不可欠です。
自己破産など、専門的な債務整理のご相談は、カヤヌマ国際法律事務所の弁護士にご相談ください。

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