個人再生の弁済期間の期間延長とハードシップ免責について

個人再生

個人再生は、再生計画認可後3年間をかけて借金の一部(計画返済総額)を返済することで、借金残額の返済義務を免除してもらう手続です。

一般的には計画返済の途中で返済ができなくなることはあまり生じません。なぜなら、個人再生を申し立てる際には、再生計画をきちんと完遂できるかどうかを十分に検討し、手続開始後には完遂可能な再生計画案を作成・提出するからです。

また、裁判所が「再生計画の遂行が難しい」と判断すれば、再生計画(案)は認可されません。

しかし、計画返済は3年かけて行うことなので、その途中で予期できなかった諸事情が生じ、計画返済の遂行が難しくなってしまうこともありえます。

今回は、個人再生後に返済ができなくなったときの対処法について解説します。

1.個人再生後に返済を怠ったらどうなるのか

万が一、計画返済(再生計画に基づく借金返済)を続けることが困難になったときには、直ちに個人再生を依頼した弁護士に相談しましょう。

「もうダメだ」と諦めて放置してしまったり、計画返済の支払いのためにヤミ金などに手を出してしまうことは絶対にいけません。

正しく対応すれば、最後まで計画返済をやり遂げられることも少なくありません。

1−2.返済を怠ると債権者から「再生計画の取消」を申し立てられる

再生計画の履行を怠ったときには、再生債権者の申立によって再生計画の認可が取り消される可能性があります(民事再生法189条1項2号)。

1−3.再生計画取消の効力

認可取消の申立に理由があると認められれば、裁判所は「再生計画取消決定」をします。

再生計画が取り消されると、再生計画によって変更された条件がすべて元に戻ります(民事再生法189条7項)。つまり、残っている借金を一括で返済しなければならない状態になってしまいます。

1−4.延滞が明らかなときは必ず事前に連絡する

それまでの返済をきちんとしていれば、債権者も1回の延滞でいきなり「再生計画の取消」を申し立てるようなことはしないでしょう。勤務先や取引先の都合で、予定した日に給与や報酬金が入らないということもあります。

しかし、債権者との信頼関係を壊さないためにも、延滞することが明らかなときには、事前に、個人再生を依頼した弁護士に連絡し、債権者には遅れる事情等について説明しておくことが重要です。

2.計画返済が難しくなったときには「再生計画の変更」で対応

突発的な事情で「今月の返済が間に合わない」ということであれば、債権者にその旨を連絡することで対応できます。

しかし、返済が厳しい状況が今後も続くことが予想されるときには、再生計画の取消を避けるためにも、速やかに対応措置を講じる必要があります。

再生計画の実行に行き詰まったときには、「再生計画の変更」が有力な対応措置となります。

2−1.「再生計画の変更」とは

個人再生の場合には、一定の条件を満たしていれば「再生計画で定められた債務の期限を延長する」ことが可能です(民事再生法234条第1項・244条)。

つまり、当初の返済計画よりも返済期間の先延ばしを認めてもらうことで、従前の延滞状態を解消し、支払期限の再調整と毎回の支払い額を減らすことができるというわけです。そのため、個人再生の再生計画の変更は、「再生計画のリスケジュール、支払期限の組み直し・再調整」などと呼ばれるようです。

個人再生の場合の支払期限の延長は、再生計画で定められた最終の支払期限から2年を超えない範囲内に限られます。

つまり、個人再生の再生計画は3年での返済が原則なので、これを最大5年まで延長することが認められます。

2−2.再生計画変更を申し立てるための要件

再生計画の変更ができるのは、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときです(民事再生法234条1項前段)。

「やむを得ない事情」とは、勤務先の都合(倒産など)、病気・ケガ、家族の介護を理由とする減収・失職や、取引先の倒産などが例として挙げられます。
これらの事情は、再生計画認可後に発生したものに限られます。

2−3.再生計画変更の手続

再生計画の変更には、再生債務者の申立が必要です。

東京地裁の場合には、原則として個人再生委員が選任されるためその報酬(報酬額は事案ごとに決定)も負担する必要があります。

再生計画の変更手続においては、変更案に対する個人再生委員の意見書提出、債権者による書面決議(給与所得者等再生の場合には意見聴取)を経て、裁判所が認可・不認可の決定を下します。

3.ハードシップ免責

再生計画認可後の事情変化が理由で返済が難しくなったときには「再生計画の変更」で対応するのが通常だと思います。

再生計画の変更で対応できないときには、「自己破産」を検討する必要があります。場合によっては「再度の個人再生」も可能ですが、あまり実益はないでしょう。

しかし、再生計画の終了間際まで返済してきたにもかかわらず、債務者に責任のない事情、例えば、重病や事故で就労不能となったような事情があった場合に、自己破産しか選択肢がないというのは、再生債務者にとってあまりにも酷といえます。

そこで、民事再生法は、一定の条件を満たした場合に、再生計画の途中で「残債務を免責する」ことを認めています(民事再生法235条)。これを「ハードシップ免責」と呼んでいます。

3−1.「ただの減収」ではハードシップ免責は認められない

ハードシップ免責は、次のすべての要件を満たしているときに認められます(民事再生法235条1項各号)。

  • 再生債務者がコントロールすることのできない事情によって、再生計画を遂行することが極めて困難になったこと
  • 再生計画の変更が極めて困難であること
  • これまでの返済総額が計画返済総額の3/4以上であること
  • これまでの返済総額が清算価値以上の金額であること

3−2.実際にハードシップ免責が認められたケースはごくわずか

ハードシップ免責の要件は非常に厳しく設定されています。ハードシップ免責の要件を緩和すれば、安易な免責申立が増え、モラルハザードが生じるおそれがあるためです。

4.個人再生の申立ならカヤヌマ国際法律事務所へ

個人再生は多額な借金を大幅に減額した計画弁済を実行することで解決できること、すなわち、債務額を大幅に圧縮できることが大きなメリットとなる手続です。

他方で、3年で計画弁済を完遂しなければならないため、予期しないトラブルで返済計画に狂いが生じるリスクがあることは否定できません。

個人再生を弁護士に依頼する際には、「万が一の備え」として、再生計画認可後のアフターケアまで見据えて弁護士を選ぶことが大切です。

カヤヌマ国際法律事務所では、再生計画変更を取り扱った実績がありますので、安心して個人再生の手続をお任せいただけます。⇒「個人再生における計画弁済の途中で期間延長して再生計画を完了できた事例

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人生には予期せぬトラブルがつきものです。個人再生したあとにトラブルが起こることもあり得ます。最初から個人再生の実績がある当事務所まで、どうぞお早めにご相談ください。借金問題の解決実績が豊富な弁護士が、最後までしっかりサポート致します。

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